【黄河源流S#059】敦煌滞在2日目は歴史勉強三昧
2011年08月25日 甘粛省 /
歴史を勉強したくなった。
僕が中国を好きになったのは10歳の時。さだまさしの影響だ(大笑)
中国に興味を持つ方の多くは三国志だったりするのだろうか?
僕の場合は「雄大さ」だった。中国は2006年に足を踏み入れて丸5年が経つ。
その間色々な都市に行ってみたが、敦煌は初めてだった。
敦煌の映画をDVDでも見た事はあるが、大した興味も持てなかったし、
井上靖の「敦煌」は聞くまで知らなかったし。
しかし今日。
初めて中国の歴史について自ら”もっと知りたい”と思った。
元々歴史が好ではない。特に世界史。理由は「莫高窟」を見たからだ。
あまりの美しさに「これが唐の時代に描かれたもなのか!?」と心が震えるほど感動した。
(”唐の時代”と言われたって、それが何年の頃なのか僕には分らなかった。
”遠い昔”であるという事だけで十分だった)
日本でも一般的な史跡を見てはいるが、
史跡を見て心が震えるなどと言う感覚は生まれて初めての経験だった。
宗教の融合、うつろい、時代ごとの流行、極楽浄土などを表した壁画を前に、
大袈裟ではなく自分がその時代に入り込んでしまう感覚さえ覚えたのだ。
実は今日、ガイドさんに頼んで案内をしてもらったのだ。
このガイドさん(クン)がこれまた素晴らしかったのだ。
それもこの感動を増幅させた一つの理由だろう。
ガイドは張建クン(28歳) 清潔感のある良い青年だった。
朝9時に旅館のロビーで待ちあ合わせ、まずは「月牙泉」。
そして「莫高窟」を見た。
【月牙泉】
風の回廊の中に位置する砂漠の中のオアシスだ。
敦煌市の南5kmという非常に近い場所にある。
「月牙泉」の入場料は120元。
中に入ると砂丘がドーンと目の前に広がる。
標高にして700mの砂丘。
この砂丘を4つの方法で見学できる。
①徒歩
②ラクダ
③バギーバイク
④軽飛行機
僕はラクダを選んだ。
なんとここは昔は「河」だったのだ!
泉の水は今でも湧き出しているが、年々少なくなっているらしい。
敦煌の観光地化が進み、ホテルが大量の水を消費するようになったからだ。
また、毎日多くの観光客が訪れるが、翌朝には全ての足跡が消えるという。
ここは「風の回廊」。風の力で全てが「無」に帰る。
ガイドの張健クンの生まれは、ここからわずか数百mのところ。
彼曰く「昔はこの泉が大きく、船もあったんですよ・・・」と。
また、砂漠の砂も踏めば音が鳴るというとても特殊な砂だったのだが、観光地化が進んで
その音は出なくなったらしい。 砂が汚れたからだ。
【莫高窟】
やはりここまで自転車で来たそうだ。
奥さんは・・・・・気持ち悪くて休んでいるらしい
ここが「莫高窟」の象徴。この中に35mの大仏が。
ここから先、カメラの持ち込みは一切禁止。心に焼きつけるべし。
ここは博物館にあるレプリカ。(撮影OK)
実際保存されている色と全く同じです。見事な保存状態でした。
この壁画は極楽浄土を描いている。
画面左半分は「楽器隊」。右側は「踊り子」
発色の美しさに息をのむほど
インド仏教がシルクロードを越え、やがて日本に辿り着いたのだ・・・。
ここの入場料は180元(外国人)
その場合、専門ガイド(日本語)が付いてくれる。
観光所要時間は2.5時間。
今回頼んだ日本語ガイド(張健クン)のお陰で、
最高に有意義な一日を過ごせた。張クン、ありがとう!
もし皆さんが敦煌に行く時には是非彼にガイドを頼むと良いでしょう。
因みに彼は星空ガイドができます。
砂漠の中から見える星空を見ながら、
悠久の時を楽しむのもオツではないでしょうか?
張健くん:+86-135-1937-1938
彼とはガイド終了後に一緒に食事をした。
毎年、日本人観光客が減ってきているそうだ。
また、日本人にガイドする値段よりも、
中国人にガイドする値段の方が高いという驚きのコメント。
中国人裕福層が多い証拠だ。
彼は敦煌に生まれ育ち、ガイド歴も長いベテランだ。
僕もかなり意地悪く(?)質問してみたが、全て懇切丁寧に説明してくれた。
こうしてガイドをつけた旅は今までやったことが無かったのだが、
モチ屋はモチ屋である。さすがプロ。
敦煌の魅力を最大限に堪能できたのは、張クンのお陰だと心から思う。
また大好きな町が見つかった。
▼迷ったところで地球の上 目次はこちら
http://katari-bar.com/2021/05/11/mayottatokorode/