【黄河源流S#035】 黄河横の草原にて野生のシカと遭遇-走行距離48.8km
2011年07月14日 青海省 /
工事現場のテントは快適だった。ただ一泊しただけだというのに生まれる連帯感のようなもの。
外に置いておいた自転車にはカバーをかけておいたが、カバーごと凍っていた。
今日は山の中にある「麻多郷」まで行きたいが、相変わらずのじゃり道なのでなかなか進めない。
湖も過ぎたので、似たような景色がひたすら続く。
この辺りから、野生のシカを見かけるようになった。
お昼前に遊牧民の家の前を通りかかり、お茶に誘われた。そこで自家製ヨーグルトをご馳走になった。
ネットリと濃いヨーグルト
お茶も、チベット茶に牛乳を入れたものだ。
お茶に牛乳というのは聞いたことはあっても飲んだことはあまりないのでは?
そもそも何でお湯ではなく牛乳なのか?
答えは簡単。
水の確保が難しく、牛乳は自分たちの牛からいつでも絞ることができるから。
しかも栄養がある。日本は水が当たり前だしおいしいから水(お湯)で煎れるけどね。
インドなどでは「チャイ」と呼ばれるが、立派なお茶だ。牛乳茶(笑)
家に泊まって行けと勧められたが、どうも天気の具合が良くない。
後ろから雨雲が迫ってきている。
もう少し走って距離を稼ぎたいので、前に進むことにしたのだが・・・・。
夕方ついに雨雲に追いつかれてしまった。
すると文字通り”突然”に、ヒョウが降ってきた。
直径8mm程度のヒョウ。
全身を叩き打ち、4枚重ねで着ている服を通して衝撃が走る。痛ったい!
叩きつけてくるヒョウ
周囲に遮るものは一切ない、ただの草原。こりゃぁここまでだなと判断してテント設営。
テントがねじれてしまうほどの強風とヒョウと雪の中、テントの中で読書。
気温は1℃。画面右側中段。因みに20:55でこの明るさです。
見渡す限りの草原。人間は自分だけ。風の音しか聞こえない。
寂しさも恐怖もないけれど、何かがこみあげてくる。