【黄河源流S#055】検問、無人区、難所続きの中国ミステリーツアー

2011年08月21日 青海省 /

朝7時に旅館の目の前にあるバスターミナル(?)へチケットを買いに出かけた。
昨日、ドイツ人のおっちゃんと、公安からも直接指導されたので仕方あるまい・・・。

バスターミナルと言っても、道路にバスが止まっているだけ。
チケット売り場はホッタテ小屋。

小屋の中にちーさい枠があって、そこでチケットが売られるらしい。
地元の人らしきジィ様方がたむろしていたので、何時に窓口が開くかと聞いてみると
「8時過ぎたら開くんじゃないかな?」という何ともアバウトな返事。

まだ30分以上あるので近くの食堂で朝ごはん(餃子)を頼む。
8時過ぎにチケット売り場に戻ると、丁度チケット売りのおじさんも現れた。
ここからが戦い!既に待合室には20人ほどが集まっていたので、
窓口が開くと分かると、窓口を中心に180度(!)扇型に”並びます”(笑)

←つまり並ばないってことね・・。

僕はこの手の”整列”にはさすがに慣れているので、
速やかに5番手に並び、ジリジリと割り込でいき、3番手になった。

で、イザ自分の番になり行き先を告げると・・・「満席だよ」と一言で終了。
「どうすりゃいいのよ?」と尋ねたら、
「11時にバスが来るから運転手に直接交渉してみて」・・・・。

因みに一日に一便のみ。

げぇ~。バスに乗れない・・・。
というか、これじゃ次に乗れるのがいつになるかも分らんじゃないか!?

無いものは無い。
状況が動かない時は自分が動けばよい。
当然のことだわな。

と、言う事で自転車で再スタートする事に決定!
「公安どうするの?」という不安はあるが、行ってみなきゃ分からないでしょ。
ここは中国。何が起こるかわからないミステリーツアー♪

部屋に戻り、バス用に荷物をパッキングしていたものを、
再び自転車旅行用に戻して、再出発!
と、走りだして数キロ先で男女二人組のバックパッカーに遭遇。

彼女は大学の先生。彼はぷー太郎。
3か月かけて中国を旅している二人

彼らも僕と同じくバスに乗れない二人だった。
彼らは、バスを諦めてヒッチハイクしていると言うのだが、車が殆ど来ない。
1時間ほど一緒に付き合ってみたが、車は殆ど来ないし、来ても無視される始末。
何十台目かの車をようやく捕まえて去っていった。

あ・・・・。
俺もその手があったか・・・と、一瞬頭を過ったが、
一度「漕ぐ」と決めると不思議と腹も座っているので再び漕ぎ出す。

今日もまた向かい風。
あ、因みにどこかのブログに書いてあったのを引用しますが、
向かい風=Agaist 追い風=Follow と言いますが、
向かい風=Head wind 追い風=Tail wind とも言うそうです。

ナルホド・・・。頭からぶつかってくるのでHead。
ケツから押してもらえるのでTailね。
・・・・分ったところで風向きは変わりません♪

自転車を風よけにして休憩中~

それにしても公安はどこにいるんだ?と、思っていたらついに現れました!
検問所!カメラの最大望遠で見ると、機関銃を持った兵隊と警察が二人いる・・・。

さぁて・・・どうやって通り抜けるか!?
ま、ダメで元々と思って走っているので行くしかない。

トラックなどは厳重にチェック!

いよいよ検問所に近づく。
こうなりゃ・・・・中国人のフリをしちゃえ!(大笑)

と、言う訳で・・・・

飯:「やぁやぁ!こんにちわ!」

公:「ブスッ」

飯:「こんなところで何してるの?」

公:「この先は管理施設があるからチェックしている」

飯:「おぉぉ・・・それはお疲れ様ですね~」

公:「どこから来た?」

飯:「上海から自転車漕いできた」

公:「上海から!?そりゃぁすごい!どれくらいかかった?」

飯:「3か月くらいかな・・・。上海・蘇州・合肥・西安・・・」

公:「どこに行く?」

飯:「ウルムチくらいまでかなぁ」

公:「俺は江蘇省の出身なんだよ」

飯:「マジっすか?」

・・・・・・等と、蘇州ネタで盛り上がっている内に、
大型トラックが5台ほど連ねて来た為
そちらの対応に忙しくなるみたいで、
「お前、行って良し!」となりました♪  ラッキー♪

ラッキーなのは良いのだけれど、最後に一言
「この先、”無人区”だから気をつけろよ!」と言われ、改めて思い出した。

そうだ。無人区だ。
だぁれもいない場所だ。 イケね。水がない。
検問所を抜けたところに「最後の売店」という店があり、
そこで水を大量に購入。ついでにラーメンも補充。

さぁて!
検問所も抜けたし一気に行くぞ!
・・・と気持ちは進むのだが、風に押し戻されてしまう。

遠く向こうからは雨雲が近づいてくるし、風はドンドン強まるし・・・・と
思っていた矢先に雨が降り出してしまった。

しかし無人区を抜ける為にはここで止まるわけにはいかない。
夕暮れと雨と風との追いかけっこだ。

雨雲の方面から突風が吹いてくる。
砂が舞い上がり大変・・・

20:00近く。雨雲の切れ間から夕日が・・・。

20:00。今日はここまで!辺りには岩山と砂漠だけ。

砂漠の上を突風が抜けていく。
テントを張るのも一苦労だが、張り終えた後のテントの中は快適♪

何しろ太陽が一日照りつけた砂は、砂風呂と同じくジンワリと暖かいのだ。

砂漠に沈む夕日を見ながら、ウトウト・・・・。
気がつけば、テントの窓を開けたまま寝てしまっていた。

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