【黄河源流S#046】再開までの苦難!ヒッチハイクで自転車の元へ!

2011年08月11日 青海省 /

どうするか決まらないまま朝を迎えた。しかし、悩んでいても何も始まらない。
荷物をまとめ、タクシーに乗り込み、ラサに向かう有料道路の料金所まで移動する事にした。

料金所には警察もいるので、歩いて料金所を通りすぎ、数キロ先でヒッチハイクを開始した。

狙いは大型トラック!

道路工事をしているので、土砂を運んだトラックの方が可能性が高いし、
あの悪路を走るのだから小型車では僕の体が持たないからだ。

天気は快晴!車も結構走っている。
但し99%の車はラサに向かう車。
1%位は僕の自転車が待つ村に行くだろう・・・。

強い紫外線を感じながら路肩に立つこと30分。一台の軽トラックが止まった。

僕とトラックの運転手が同時に質問した。

「どこまで!?」

彼は僕が向かう村の1/3の所までしか行かないそうだが、
彼曰くその場所の方が車を捕まえやすいと言う。・・・ホントか?

しかし、この30分間で止まってくれた車は3台。
良いペースだとは思うが、前に進んでいないのは事実だ。

”乗ってみよう”と思い、同乗する事にした。50元(約700円)だ。
軽トラックなのでエンジンの音も揺れ方もすごい。

しかしここは舗装路だ。
こんな事でメゲてはいられない。
走る事2時間で彼の目的地に到着。

ヒッチハイク1台目 遠くに見える崑崙山脈に向かう
徐々に標高を高める

すると彼はその辺に止まっていたトラックの運転手に片っぱしから声をかけてくれて、
あっという間に2台目が見つかった。2台目は村に向かう「分岐点」までしか行けないそうだ。

ここで待っても分岐点で待っても同じことだ。
道はこの一本しか無いのだから。彼の車は150元だった。

ヒッチハイク2台目!

2台目は2トン車に4トン分の軽油を載せているので、めちゃくちゃ重いし遅い!

しかし、徐々に崑崙山脈が迫ってきて眺めが良くて気持ちいい。
のんびりと峠を目指す。途中で彼らの仕事の手伝いをしたり(砂利運び)して
2時間ほどで分岐点に到着した。ここに一軒の食堂と売店がある。

しかもこの前は気が付かなかったが、3部屋だけの簡易宿があるではないか!!
おおっ!これなら最悪の場合ここに泊まれるではないか!?

しかし、話はそう上手くは行かないものだ。・・・既に満室だったのだ。
ラサを目指すチャリダー達が占拠していた。うううう・・・・。

ここが分岐点!

後は運に任せて3台目を待つだけだ。
・・・・1時間経つが1台もこの分岐点を左折しない。
ここからやく200kmのガレキ道を走って行こうとする奴は少ないみたいだ。

それにしても空が碧い。雲が近い。
4,600mの路肩で一人アテもなく座り込む。
持ってきた本を開いて読み始める。

この恰好でも既に寒い。待ちつづけ飽きていた。

・・・・もうじき2時間が過ぎようとする頃、
軽ワゴンがウィンカーを出して近づいてくるではないか!

気がついたら路肩ではなく、道路の真ん中に立って車を無理やり止めていた(笑)
夕方になっているので風も強まり、温度も下がり始めていたのでなりふり構っていられない。

「どこまで行く!?」 もう本当に直接的な質問。
答えは僕の自転車の置いてある村の先まで行くというではないか!
乗って良いよと言われる前にドアを開けてしまっていた。

チベット族の若者3人で、ゴルムドまで買い物に行った帰りだそうだ。
ここから約200kmを4時間かけて走った。
ものすごい砂埃で、その砂埃は容赦なく車の中に入り込み、

あっという間にあらゆるものが白くなっていく。
そして軽ワゴンは今にも分解しそうになりながらガレキ道をひた走った。

結局この4時間、同じ方向に向かう車は一台も走っていなかった。この一台が来なかったら多分・・・・。 

さぁて肝心の自転車はあるのだろうか?
恐る恐る自転車を預けた家に近づく。
明かりはついている。人はいる!

・・・と、突然後ろから大きな声で「お帰り!」と声を掛けられた。
振り向けばその家の家主がいるではないか!

彼はニコニコしながらとにかく家に入ってお茶を飲めと誘ってくれる。
僕はとにかく自転車を見たいのだが。。でも、これならまぁ大丈夫だろう。

持参した手土産を渡し、出されたバター茶をすすり・・・ホッと一服。11時間のヒッチ行程は、結構しんどかった。

家主が倉庫から自転車を出して来てくれた。全く問題ない。
ところで何で携帯が通じなかったのか?と聞いてみたところ、
この村は今年携帯が通じたばかりでまだ「習慣ではない」と答え、
彼は笑いながらタンスから携帯電話を取り出した。

夕食もご馳走になった。
この時間からは走る事は出来ないので家の前にテントを張らせてもらう事にした。

この前のような犬が襲ってきたら助けてもらう事をお願いして、
久しぶりのテントに潜り込む。疲れていたのでグッスリと寝る・・・・ハズだった。

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