【黄河源流S#034】扎陵湖付近で携帯の信号がなくなる-走行距離84.9km
2011年07月13日 青海省 /
晴れた。・・・と、いうか、晴れてしまった。笑。
さぁ!出発だ!僅か数百mで終わってしまう、馬多県を出発だ!
向かい風が強い中を漕ぎだす。僅か数kmで、今まで走ってきた道とまるで違う道が開ける。
国道でも、省道でもない、舗装されたあぜ道と言えばシックリくるような道。
車も人もいない。 ある意味サイクリングロードだな。そんな道を遠くに見える山脈めがけて進む。
十数kmも進んでふと気がつくと、携帯の信号が殆ど無いではないか。
もしや?と思い、ヨメに連絡を入れる。恐らくこれから先は数日は通じなくなるだろうから。。。
案の定、その連絡を最後に信号は無くなった。暫く進むと今度は道路の舗装が途絶えた。
・・・・いよいよ・・・か。
Google Earthでは舗装路に見えていた道路はやはり未舗装路だったか。
平らに見える砂利道は、実は洗濯板のように波を打っていて、車やバイクのようなサスペンションが
あればさほど感じないだろうが、自転車にはかなりの衝撃が。脳味噌がシェイクされる。
轍ではなく、中央部分を走ろうとすれば、そこは地面が柔らかくて抵抗が多い。
う”-・・・。いきなり40%のパワーダウンだ。進まん。
因みに自転車の平均時速は15-20km/h。僕はかなり遅めなので15km/hペース。
それが、この砂利道では10km/h以下にまで落ちてしまう。
加えて向かい風に苦しむ。 まだまだ始まったばかりだ。とにかく進む。
すると、何やら見えてきた。
世界最高海抜水力発電所&料金所
なんとこの先にある「黄河源流牛頭」への入場料を払わされるのだ。一人80元なり。
う~む。これは道路開発費だな。工事現場の人が料金所も管理していた。
この先に売店などはあるか?と尋ねたら、「当然!あるある!」と。
・・・・これを信じた俺が間違いだったのだが・・・。
ゲートをくぐり先へ進む。道はひたすら続く砂利道。この先に二つの大きな湖がある。
ガク陵湖と扎陵湖だ。その中間に「黄河源流牛頭」がある。
この二つの湖が事実上の黄河源流湖となるのだが、源流と言えば最初の一滴ではないか!?
青海湖より遙かに美しい!
夕方に近づくにつれて風が強まり、グッと冷え込んで来た。大粒の雨と強風が・・・。
一時、グランドシートで雨宿り。シートが飛びそう・・・。
・・・どする?笑。結局、売店なし・人なし・車なし・携帯電波なしの場所。見渡しても草原だけの世界。
遠くにテントらしきものが見えたので、そこをゴールにして夕暮れの逆風の中を進む。
道路工事のテントだった!
いつもであれば通り過ぎるのだが、今夜はそうはいかない。立ち止まって「誰かいますかー?」と声をかける。
中には現場の野郎達が5人。うわぁ・・・むさくるしい(笑)
万年床の上でトランプをしている5人。とにかくこのテントの脇に自分のテントを張らせてもらいたい事を申し出る。
とにかく中に入りなよという誘いで、むさくるしくも温かいテントの中に入ってみた。
何かどこかの記憶の片隅を思い出す・・・。あぁ・・・大学時代にやっていたスキーのバイトのタコ部屋の雰囲気だ。
タコ部屋~。中はとても暖かい。
暫くトランプを脇で見ている内に一人の男が夕飯の支度を始める。
「お前も食べろよ」という有難い申し出に3回うなずいた。
夕飯の支度風景。男料理の極み。大ざっぱで勢いで作る! 旨い!
今夜は(も)麺!
日暮れは21:00。就寝は22:00。
結局彼らのテントの中、ストーブの横の地面に寝袋を敷いて寝かせてもらった。
彼らは僕がこの前通ってきた「西寧市」からの出稼ぎで、3か月に一回戻れるらしい。
食料などは今朝出てきた馬多県まで買い出しに行くそうだ。この現場もあと17日でClose。
次の現場は100km離れた場所で、この5人は一つのチームなので全員で移動するそうだ。
テントの設営、撤収などもすべて自分たちでやる・・・・。
そんな話を聞きながら、石炭ストーブのぬくもりの中で寝てしまった。
外は大風。テントが揺れる。